ベンチャー転職TIPS

第12回 内定がゴールではない。転職活動の真のゴールを目指して、入社後気をつけること

第12回 内定がゴールではない。転職活動の真のゴールを目指して、入社後気をつけること

希望した企業から内定が出たからといって、そこがあなたの転職活動のゴールではありません。転職活動のゴールは、あなたが目標とするキャリアに向けて、新しい会社であなたのやりたい仕事ができるようになることです。最終回は、新しい会社における最初の立ち上がりで失敗しないための注意点についてお伝えしていきます。

成果を焦らず、まずは会社に馴染もう

成果を焦らず、まずは会社に馴染もう

新しい会社でうまくいかない人とは、どんな人でしょうか。私も自分が転職した当時、出足からつまずきたくなかったので、本やネットで情報を集めました。その結果、以下のような人が、新しい会社でうまくいかない上位にくることがわかりました。

 

・前職のやり方を持ち込もうとする

・前職と比較して、否定的な発言をする

・新しい会社のルールや仕事の進め方を無視・軽視する

 

この結果は一見すると、「前職のやり方にこだわり、新しい職場に馴染もうとしない”頭でっかちな人”」の特徴のように思えます。正直なところ、転職前は「自分は周囲からこんな風に思われるような行動はしないだろう」と思っていました。しかし、実際に転職してみると、どうやら「”頭でっかち”だから、こういった行動をとる」という訳でもないのだなと思うようになりました。

 

では、どんな人がこういった失敗をするのでしょう。私の考察は、「早く成果を上げたいと思い、新しい会社に馴染む前に、ガンガン突っ走ってしまう人」です。こう考えると、誰もが陥る可能性のある失敗に思えてきます。

中途で入社すると、早く成果を上げたいと思うのが普通です。そして成果を早くあげようと思えば、これまでの経験を活かして”自分の色”を全面に出したくなります。しかし、「新しい会社に馴染む=仲間になる」前に自分の色を出しすぎると、周囲から冒頭挙げたような新しい会社でうまくいかない人になってしまう可能性があるということ。

 

ですから、新しい会社で失敗しないための大事な心構えは、「急がば回れ」(成果を焦らず、まずは馴染もう)です。

 

では、ここからは、具体的に気をつけたい2大シーンをご紹介します。

 

 

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違和感を感じるルールや仕事の進め方も一旦受け入れる

違和感を感じるルールや仕事の進め方も一旦受け入れる

大手企業からベンチャー企業に転職すれば、仕事のルールやプロセスが整備されていないことに違和感を感じる機会が多くあるはずです。「なぜこの仕事に担当者が決まっていないのか?」「なぜどこにもマニュアルがないのか?」など。しかし、どんな違和感があっても、いちいち「おかしい」と声を荒げず、しばらくはそのルールに素直に従っていく方がよいでしょう。

 

転職してきた自分にとっては違和感のある仕組みでも、その会社に昔からいる人たちにとっては試行錯誤の結果なのです。もちろん、それが完璧だと思っている人はおらず、「改善できることが意見して欲しい」と言われるでしょう。しかし、そのプロセスやルールを採用するに至った背景や経緯も知らない人がいきなり頭ごなしに否定すれば、もとからいる社員は嫌な気持ちになっても仕方ないです。

 

しかし、周囲から嫌われないために、違和感を完全にスルーしろと言うつもりもありません。一旦受け入れましょうということです。感じた違和感はひとまず飲み込み、どこかにメモしておきましょう。そして、数ヶ月たって会社にも馴染んだところで、そのメモを見返し、その時でも改善した方がいいと思えば、それが改善提案するタイミングです。

 

 

「前職では〜」を言い過ぎない

「前職では〜」を言い過ぎない

「前職ではこうだった」「前職ではこんなやり方はしなかった」。

新しい会社のやり方を露骨に否定しなかったとしても、前職の話を頻繁に持ち出すのは避けた方が良いです。

 

もちろん、前職の情報は転職者がもたらす新しい視点であり、貴重な情報です。しかし、頻度が高くなりすぎると、周囲の人から「この会社はあなたの前職とは違うんだよ」と、うんざりされる可能性があります。

 

しかし、実際に転職して分かったのですが、転職してすぐは「前職では〜」という話をしたくなってしまいます。一番の理由は、『前職の経験』が、転職者が持っている数少ない強力な武器だからです。例えば、転職して最初の頃は、会議に参加してもわからないことばかりでなかなか発言できません。しかし、自分は新卒ではなく中途採用なので、会議にただ座っていましたという状況は避けたいと思いました(きっと皆さんもそう思うはずです)。そうして、何か少しでも意味ある発言をしようと思うと、自分の強力な武器である前職の経験を持ち出したくなり、つい「前職では〜」という発言をしてしまうわけです。

 

「前職では〜」は、出しすぎると周囲を不快にするものの、使い方を間違わなければ、周囲にとっても有意義な情報であることは事実です。正しい使い方は、”言い方”と”頻度”を間違わないことです。言い方については、「前職が良かった」というように、前職を肯定しすぎたり、現職を否定したりするようなニュアンスを排除し、フラットな一事例として「こんなやり方もありました」と言うようにすることです。そして、頻度についてはできるだけ少なく、極端に言えば「前職ではどうでした?」と聞かれたら話すぐらいでよいと思います。

 

前職の経験は転職者の強力な武器です。しかし、使いすぎると逆効果になる場合があるので、言い方と頻度を考えて、大事な場面で使うようにするのが良いでしょう。

 

 

まとめ(12回の連載の終わりに)

まとめ(12回の連載の終わりに)

こうして、「まずは新しい会社に馴染む」ことに成功し、前職の経験を活かして成果をあげつつ、あなたがやりたかった仕事ができるようなったら、あなたの転職は成功です。転職前に思い描いたキャリアを、自信を持って歩んでいきましょう。私も、全てが順風満帆ではなかったですが、今は転職して良かったと心から思っています。

 

最後に、私が転職をして一番変わったことをお伝えして、これから転職を考える方へのメッセージとしたいと思います。

 

私がベンチャー企業に転職して一番変わったことは、今後のキャリアは自分で切り開いていくしかないと腹をくくれたことです。大企業にいるうちは、最悪この会社にいれば死なないと、心のどこかで頼っていたと今では思います。転職してみて、その頼れる支柱を失ったからか、今後どうしていくべきかを考える機会が圧倒的に増えました。自分のキャリアは自分で作っていくしかないという覚悟と、自分のキャリアは自分で作れるという自信を得ることができたのが、私が転職をして手にいれた一番の宝物です。

 

さあ、皆さんも自分らしいキャリアを目指して一歩踏み出してみてください。この連載がその一歩を微力ながらも後押しできるものであったなら、それほど嬉しいことはありません。

 

 

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取材者 = 平重 克樹

感性デザイン工学専攻で大学院修了後、株式会社NTTドコモに入社。NTTドコモでは、IoT/AIを軸とした、デバイス・アプリケーションの両面から経営課題にアプローチするビジネスコンサルティング業務に従事。建設業界の働き方改革・生産性向上に寄与するIoTソリューション事業(デジタルトランスフォーメーション:DX)の新規立ち上げを行う。また同時に、オープンIoTプラットフォームを展開する4社JVのインキュベーション支援業務に携わる。MWC Barcelona 2018・2019出展。
その後、株式会社ドリームインキュベータ(DI)に出向。DIでは主に国内ベンチャー投資・上場支援に取り組む。また、国内1号ファンド「DIMENSION」の立ち上げに関わる。

 

大久保 崇

筆者 : 

大久保 崇

人材育成ベンチャーにて、企業向け研修の開発者兼講師。
従業員数1万人以上の超大手通信キャリアから、従業員数100人前後の人材育成ベンチャーへ転職。大手通信キャリアでは12年勤務し、システム開発、人事、新規事業企画と様々な業務に携わり、マネージャーも経験。現在は大企業での経験を活かして、様々な企業の人材育成をサポートしている。

大久保 崇

筆者 : 

大久保 崇

人材育成ベンチャーにて、企業向け研修の開発者兼講師。
従業員数1万人以上の超大手通信キャリアから、従業員数100人前後の人材育成ベンチャーへ転職。大手通信キャリアでは12年勤務し、システム開発、人事、新規事業企画と様々な業務に携わり、マネージャーも経験。現在は大企業での経験を活かして、様々な企業の人材育成をサポートしている。