CXOストーリー

ベンチャーCOOに必要な3つの素養。「COOが誰よりも成長に貪欲であるべき」の理由とは SmartHR COO倉橋隆文(第3話)

ベンチャーCOOに必要な3つの素養。「COOが誰よりも成長に貪欲であるべき」の理由とは SmartHR COO倉橋隆文(第3話)

「自分が圧倒的に成長できる環境に行きたい」「共感できるビジョンに向かって働きたい」「CxO・経営層を将来は目指したい」とベンチャー・スタートアップ転職に興味はあるものの、なんとなく不安を感じて一歩を踏み出せていない方も多いのではないでしょうか?

CAREEPOOLでは先駆者である「急成長スタートアップCxO」の方々へのインタビューを実施。大企業からスタートアップへ転職する際に気をつけるべきポイント、CxOに必要なスキルやマインドセット、スタートアップで働く醍醐味などについて紹介していきます。

今回は人事労務の業務をクラウド化して負担を軽減する注目の企業、SmartHRでCOOを務める倉橋隆文さんに、ベンチャーにおけるCOOの役割や求められる素養についてお伺いします。(全3話)


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COOとして大切な3つの素養

ーーベンチャーのCOOにとって重要な素養を3つ挙げるとするとなんでしょうか?

 

1つめ「T字型のスキルセット」です。

 

COOはマーケティングから営業、CRMにいたるまで、ビジネスに関わるすべてのことについて適切な意思決定ができなくてはいけません。それはビジネスサイドのみならず、開発やファイナンス、コーポレートなど多岐に渡ります。

 

なのでそれぞれの幅広い領域において、何が判断の鍵を握っているのか理解しておく必要があります。

 

その一方で、どこか自分の強みを持っておく必要もあります。私の場合でいうと事業企画の部分。全部の能力が「そこそこ」では足りなくて、得意分野を持っている「T字型のスキルセット」がある方がCOOとして力を発揮しやすいでしょう。

 

2つめは「チームの力を引き出すマネジメント力」。

 

先ほどお話した通り第2話リンク、チームの力を適切に引き出すことが結果や仕事の楽しさに繋がります。なのでCOOは常にどうやったらチームが力を最大限発揮できるか考え、仕組みを設計していく力が求められます。

 

私の場合、大きくハードとソフトの両面から「チームの力を引き出すマネジメント力」を意識しています。

 

ハード面でいうと、「組織設計」「KPI設計」。各チームが混乱せずに自走できる組織構造・KPI設定を意識しています。

 

例えばSmartHRでは、最近「プロダクトマーケティングマネージャー」というポジションを新設しました。背景には、プロダクトが複雑化し、組織規模が大きくなるにつれて、プロダクトとビジネスサイドをつなぐコミュニケーションが複線化してきたということがあります。

 

5人対5人であれば25通りしかなかったコミュニケーションラインが、組織規模が大きくなると何百通りにもなって煩雑になりますよね。なので、間にハブとなる人材を置くことで「n対n」の構造から「n対1対n」に組織を設計し直しました。

 

このように、常にその時々に合わせて最適な組織設計は何かを意識し、チームが力を発揮しやすい仕組みをつくることを意識しています。

 

「KPI設計」についても例を挙げましょう。

 

SmartHRの基本的なビジネスフローは、マーケティングチームが顧客リードを獲得し、インサイドセールスチームが獲得リードに対してアプローチして課題をヒアリング、クロージングセールスチームが商談を実施し、カスタマーサクセスに引き継ぐというものです。

 

このフローの中で、マーケティングチームが「獲得リード数」だけをKPIとして追っていた時期がありました。しかしそれでは、商談に繋がる「良いリード」かどうかは関係がないためリードの質が下がり、セールスチームが見込みの無い顧客に対してアプローチを繰り返す事態が発生してしまいました。

 

そこで、マーケティングチームのKPIを「商談発生数」という、獲得リードの一歩先のフローへと変更しました。もちろんマーケティングチームからするとアンコントローラブルな部分が発生してしまうKPIなのですが、あえてそうすることでチームの意識が変わり、チーム間の連携がスムーズになったのです。

 

このように、「組織」「KPI」を全体最適になるように設計していくことがCOOには求められます。

 

また、「チームの力を引き出すマネジメント力」としてソフト面で意識していることは、日々の「立ち振る舞い」です。

 

何か良いことがあったときは躊躇せずに嬉しさを表現する、といったように感情を共有する。そうすることで、会社として正しい結果が何なのか、メンバーが直観的に実感できます。人間は感情で動く生き物なので、そういった感情を共有することが大切だと思います。

 

 


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圧倒的に成長できるベンチャーでの仕事

圧倒的に成長できるベンチャーでの仕事

ーー「T字型のスキルセット」「チームの力を引き出すマネジメント力」に加えて、3つめの「COOにとって大切な素養」を挙げるとするとなんでしょう?

 

3つめは「成長意識」です。

 

一般的にCEOとCOOでは、成長速度に開きがあります。CEOの方が究極的に会社全体に責任を負っているし、社長同士の交流会といった学びの機会も多いため、成長速度が速いのです。

 

そこでCOOに求められるのは、自分がCEOよりも成長速度が遅いと自覚した上で、成長機会を意識的に見つけにいく意識です。放っておけばCEOだけでなく、会社の成長にもついていけず、自分の能力が会社のボトルネックにもなり得るからです。

 

私も意識的に意見交換の場に参加したり、海外イベントに出たりするようにしています。おかげで、周囲の方からも学びの機会があれば声をかけていただけるようになりました。

 

いまSmartHRはものすごい勢いで成長していて、その成長にどこまで自分がついていけるか、というのが私の一番チャレンジです。自分が会社の成長についていけなくなったら、それは私のCOOとしての「賞味期限」だということ。その時は潔く、後進に道を譲る覚悟でやっています。

 

自分がこの会社を引っ張る存在であり続けるために、成長し続ける。貪欲に「成長意識」を持つことは、急成長するベンチャーのCOOにとっては必須の素養だと思います。

 

 

ーー最後に、大企業などからベンチャーへの転職を考えているみなさんにアドバイスをお願いいたします。

 

ベンチャーの良いところは「チャレンジしないと生き残れない」ということ。

 

大企業では、勝ちパターンがある程度見えているビジネスを、いかに素早く、1%でも2%
でも改善していくかが仕事の価値となります。

 

一方でベンチャーはまさに「ゲリラ戦」。ビジネスが発展途上なので、勝ちパターンを見つけるためにあらゆるチャレンジが必要です。たとえダメだったとしても、それは「ナイスチャレンジ」として新しい方向へ向かわなくてはなりません。

 

ゆえに多くのベンチャーは失敗に寛容で、減点方式で人を採点するような文化がありません。生き残るためにチャレンジして、フロンティアを押し上げるという経験はベンチャーならではの醍醐味なのかなと思います。

 

 

ーー倉橋さんのように、ベンチャーのCOOとしてのキャリアを目指される人にもメッセージをお願いいたします。

 

先ほどお話した3つの素養、「T字型のスキルセット」「チームの力を引き出すマネジメント力」「成長意識」は普遍的に必要だと思いますが、最も重要なのは自分と社長の相性。

 

社長と自分の補完関係を見ながら、自分の得意なこと、やりたいことを活かせる環境を探すのが大事なのかなと思います。

 

経営という仕事は、従業員やステークホルダーと一緒に関わり合いながら、ひとつの事業を一緒に作り上げてくものです。みんなで何かを達成した時の高揚感というのは何事にも代えがたい。

 

なのでぜひ、ベンチャーの経営にチャレンジする人が増えるといいなと思っています。

 

 

平重 克樹

筆者 : 

平重 克樹

感性デザイン工学専攻で大学院修了後、株式会社NTTドコモに入社。NTTドコモでは、IoT/AIを軸とした、デバイス・アプリケーションの両面から経営課題にアプローチするビジネスコンサルティング業務に従事。建設業界の働き方改革・生産性向上に寄与するIoTソリューション事業(デジタルトランスフォーメーション:DX)の新規立ち上げを行う。また同時に、オープンIoTプラットフォームを展開する4社JVのインキュベーション支援業務に携わる。MWC Barcelona 2018・2019出展。 その後、株式会社ドリームインキュベータ(DI)に出向。DIでは国内ベンチャー投資・上場支援に取り組む。また、国内1号ファンド「DIMENSION」の立ち上げに関わる。

平重 克樹

筆者 : 

平重 克樹

感性デザイン工学専攻で大学院修了後、株式会社NTTドコモに入社。NTTドコモでは、IoT/AIを軸とした、デバイス・アプリケーションの両面から経営課題にアプローチするビジネスコンサルティング業務に従事。建設業界の働き方改革・生産性向上に寄与するIoTソリューション事業(デジタルトランスフォーメーション:DX)の新規立ち上げを行う。また同時に、オープンIoTプラットフォームを展開する4社JVのインキュベーション支援業務に携わる。MWC Barcelona 2018・2019出展。 その後、株式会社ドリームインキュベータ(DI)に出向。DIでは国内ベンチャー投資・上場支援に取り組む。また、国内1号ファンド「DIMENSION」の立ち上げに関わる。