CXOストーリー

「意思決定」こそがベンチャーで働くCFO・経営者の醍醐味。大手からベンチャー転職のリアルとは マネーフォワード 金坂直哉(第3話)

「意思決定」こそがベンチャーで働くCFO・経営者の醍醐味。大手からベンチャー転職のリアルとは マネーフォワード 金坂直哉(第3話)

「自分が圧倒的に成長できる環境に行きたい」「共感できるビジョンに向かって働きたい」「CxO・経営層を将来は目指したい」とベンチャー・スタートアップ転職に興味はあるものの、なんとなく不安を感じて一歩を踏み出せていない方も多いのではないでしょうか?

CAREEPOOLでは先駆者である「急成長スタートアップCxO」の方々へのインタビューを実施。大企業からスタートアップへ転職する際に気をつけるべきポイント、CxOに必要なスキルやマインドセット、スタートアップで働く醍醐味などについて紹介していきます。

今回は家計簿サービスや法人向け経理支援サービスを展開し、2017年に東証マザーズに上場した”国内FinTechの雄”マネーフォワード。創業間もない2014年に転職し、2015年から2019年までCFOを務めた同社取締役執行役員の金坂直哉さんにお話をお伺いします。(全3話)

CFOとして「意思決定」する難しさ

ーー外資系金融での業務とベンチャーでのCFO業務を両方やられてみて、一番の違いはなんだったでしょうか?

 

圧倒的に違うのは「意思決定」をすることです。

 

投資銀行でのアドバイザリー業務は、基本的にお客様の「意思決定」に必要なアドバイスをする仕事。しかしアドバイスをすることと、実際に「意思決定」をすることはまったく異なります。

 

様々な選択肢がある中で、いろいろな情報やアドバイスを踏まえながら、最後は腹を括って「意思決定」する。そして決めたことを、周囲に納得してもらう。

 

これはどれだけ金融アドバイザリーで豊富な経験をしている人でも、できない人の多いスキルだと思います。

 

 

ーーベンチャーにおける経営と財務の関係性についてお聞かせください。

 

ベンチャーは往々にして、事業戦略・投資戦略を実行できるだけの財務基盤が不足しています。それでは戦略を実行に移すことができませんので、資金調達を計画する必要が出てきます。これとは逆に、財務的に可能な範囲の戦略を提言することもCFOの役割と言えるでしょう。

 

一般的なCFOは「ブレーキ役」のイメージが強いかもしれませんが、特にベンチャーにおけるCFOはビジョン実現に向けて戦略を立案し、意思決定する「推進役」も強く求められます。これはベンチャーならではの醍醐味かもしれません。

 

 

「目指すビジョンへの共感」でベンチャーを選ぶ

ーー2019年9月にCFOを退任され、新設されたマネーフォワードシンカ株式会社の代表取締役に就任されました。今後のチャレンジについてもお聞かせください。

 

マネーフォワードシンカでは、私がその企業のメンバーになりたいと思えるほど、ミッションやビジョンに共感できる成長企業を主に財務的側面からサポートしていきたいと考えています。

 

私たちもそうでしたが、スタートアップの経営者は頼れる相談相手がいなくて困っているケースが多いように思います。ノウハウさえあれば乗り越えられるハードルが成長の足かせになっているような企業も多く見受けられます。

 

そういう課題を、マネーフォワードが培ってきた知見・ノウハウ・ネットワークをいかして解決すべく、マネーフォワードシンカを立ち上げました。

 

日本のスタートアップエコシステムは企業間コラボレーションを加速することで、まだまだ良くできる余地がありますし、それらのコラボレーションの「触媒」のような役割になりたいと考えています。

 

 

ーー実際のご経験をいかし、財務的側面からベンチャーをサポートされるのですね。

 

ベンチャーに興味はあれど、「これがやりたい」というものにまだ出会えていない人にとっても、楽しい業務内容になると思います。

 

マネーフォワードシンカはSaaSなどの純粋なソフトウェア企業だけでなく、食品等のものづくりをしているD2C企業まで、幅広い領域の成長企業をサポートさせていただいています。もしサポートしている中でクライアント企業のことが本当に好きになったら、そのまま出向や転籍というかたちでジョインするというのも良いと思っています。

 

ですから、金融出身の方にとって、ベンチャーに行くまでの1つのステップとしても興味を持っていただけると嬉しいですね。

 

 

ーー最後に、ベンチャーへの転職、将来的にはCFO・CxOを目指しているような皆さんにメッセージをお願いいたします。

 

CFOは様々なバックグラウンドからなれるポジションです。求められる素養や役割も、企業や業態によって様々です。

 

ただひとつ共通して言えるのは、どれだけ華やかそうに見えるベンチャーでも、実際は泥臭い仕事や大変な局面が多いということ。

 

その困難を乗り越えるために、会社のミッションやビジョン、カルチャーに本当に共感し、「自分が会社を大きくして世の中を変えていく」と強く思える会社を選ぶことが大切だと思います。

 

肩書きや報酬だけを見て、ミッションやビジョンに共感できていないベンチャーの経営陣になってしまうと、会社にとっても自分にとっても不幸なことが起こる可能性が高いと思います。

 

そのベンチャーが目指している世界に対して、どれだけ自分がコミットできるか。これを軸に判断するのが良いのかなと思います。

 

下平 正人

筆者 : 

下平 正人

法律事務所、LINE株式会社の社内弁護士(リーガルカウンセル)、新規事業開発を経てDIに参画。DIでは、ベンチャー投資、投資先の経営支援に取り組み、投資先企業の社外取締役等を務める。東京弁護士会所属弁護士。Arts and Lawに所属しクリエーターの無料法律相談を担当。チャレンジングな事業領域に挑戦する起業家と汗をかき、共に理想を追い求め続ける存在でありたい。

下平 正人

筆者 : 

下平 正人

法律事務所、LINE株式会社の社内弁護士(リーガルカウンセル)、新規事業開発を経てDIに参画。DIでは、ベンチャー投資、投資先の経営支援に取り組み、投資先企業の社外取締役等を務める。東京弁護士会所属弁護士。Arts and Lawに所属しクリエーターの無料法律相談を担当。チャレンジングな事業領域に挑戦する起業家と汗をかき、共に理想を追い求め続ける存在でありたい。