CXOストーリー

五常・アンド・カンパニーCFO 堅田航平の原点。学生時代のマイクロファイナンスとの出会い、そして挫折(第3話)

五常・アンド・カンパニーCFO 堅田航平の原点。学生時代のマイクロファイナンスとの出会い、そして挫折(第3話)

「自分が圧倒的に成長できる環境に行きたい」「共感できるビジョンに向かって働きたい」「CxO・経営層を将来は目指したい」とベンチャー・スタートアップ転職に興味はあるものの、なんとなく不安を感じて一歩を踏み出せていない方も多いのではないでしょうか?

CAREEPOOLでは先駆者である「急成長スタートアップCxO」の方々へのインタビューを実施。大企業からスタートアップへ転職する際に気をつけるべきポイント、CxOに必要なスキルやマインドセット、スタートアップで働く醍醐味などについて紹介していきます。

今回はDIMENSIONも含めた投資家から42.2億円のシリーズC資金調達を発表し、「民間版の世界銀行」を目指す五常・アンド・カンパニー株式会社CFOの堅田航平さん。ライフネット生命、スマートニュースなど、名だたるスタートアップで財務責任者やCFOを務めてきた同氏にお話を伺います。(全5話)

価値観を変えた バングラデシュでの挫折

ーーこれまでのキャリアについてお聞かせください。学生時代はアイセック(AIESEC)に所属していたとおっしゃっていましたね。第1話リンク

 

高校生の頃から開発途上国の問題、特に「識字教育」に関心がありました。読み書きという、日本で生まれ育った自分にとって当たり前のことが、全く当たり前ではない国がたくさんあることに驚いたのです。そこからユネスコの学生会議などにも参加したりしていました。

 

大学に入った頃は、将来の就職先としてぼんやりと「国際公務員」「世界銀行」といったイメージを持っていたので、本当に自分がそれを楽しめるのかどうか確認する意味もこめて、アイセックで、バングラデシュに学生インターンを送り出すプロジェクトに参加しました。そこで出会ったのが、グラミン銀行をはじめとする「マイクロファイナンス」の仕組みです。送り出すだけではなく自分も行こうと決め、2ヶ月ほどバングラデシュでマイクロファイナンスを手掛けるNGOでインターンをしました。

 

 

ーーそこで実際にマイクロファイナンスの仕組みを体感されたのですね。

 

実際にバングラデシュに行って痛感したことは、当たり前の話ですが「自分の今の問題意識・能力では役に立てない」ということです。

 

NGOのスタッフの「自分の国を自分たちの手で良くしていきたい」という情熱を見るにつけ、自分はその情熱には勝てないと痛感したのです。

 

その挫折経験から、自分自身が途上国の最前線で何かをやるというよりも、情熱を持った現地の専門家達をサポートする立場の方が、自分が先進国に生まれ、高等教育を受けさせてもらったことを活かす上で自然なんじゃないかと思うようになりました。

自分の「原点」を忘れない

ーー大学卒業後はファーストキャリアとしてモルガン・スタンレー証券会社に入社されますね。

 

就職したのはモルガン・スタンレーですが、実は大学4年の冬に就職活動を行ったため、入社までに1年間ほどのギャップイヤーがあったんです。その期間を利用して、アイセックで知り合ったインド人の友人が大学卒業後にムンバイで起業したスタートアップで働きました。

 

彼らが立ち上げたのは、日本を中心とした非英語圏の研究者やリサーチャーに対して、専門性の高い学術論文等の「英文校正サービス」を提供する事業でした。インドと日本の人件費差に着目し、日本の研究者の優れた研究成果を世界で発信することに役立ちつつも、インドで雇用を生み出すというビジネスです。

 

とはいっても、オフィスは町工場の入居する小さな建物の一室で、日に2、3度は停電があるというカオスな状態。そんな中、創業者と私の3名で週6日、深夜まで働くような日々を過ごしました。

 

 

ーーインドのベンチャーでの体験が事実上のファーストキャリアだったわけですね。

 

そうですね。ファーストキャリアが「外資系の投資銀行」と言うのは少し自分の感覚とは異なっていて、途上国の開発支援における挫折、4年間の学生団体経営、そしてインドのスタートアップでの仕事も自分にとっての原点になっています。

 

そして、投資銀行を選んだときも、軸としてあったのは「頑張る人や組織を応援する仕事」と「多様な価値観・文化的バックグラウンドを持つ人と働く」ということ。海外にインターン生を送り出す中で「人生を変えるような経験」をしてくる人をたくさん見てきましたし、多様性ある組織が生み出すアイディアや気づきの素晴らしさも知っていたからです。

 

 

ーー今の五常・アンド・カンパニーにもつながっていますね。

 

「点と点がつながった」と先ほど言いましたが第1話リンク、まさに私の原点は学生時代の経験。

 

大学1年の挫折から始まり、様々な経験と知識、そして仲間を得ることができました。これから再度、原点回帰でチャレンジしていきたいと思います。

 

 

>第4話「肩書きで仕事を選ぶな。五常・アンド・カンパニーCFO 堅田航平のキャリアから学ぶ成長術」に続く(3月上旬予定)

 

平重 克樹

筆者 : 

平重 克樹

感性デザイン工学専攻で大学院修了後、株式会社NTTドコモに入社。NTTドコモでは、IoT/AIを軸とした、デバイス・アプリケーションの両面から経営課題にアプローチするビジネスコンサルティング業務に従事。建設業界の働き方改革・生産性向上に寄与するIoTソリューション事業(デジタルトランスフォーメーション:DX)の新規立ち上げを行う。また同時に、オープンIoTプラットフォームを展開する4社JVのインキュベーション支援業務に携わる。MWC Barcelona 2018・2019出展。 その後、株式会社ドリームインキュベータ(DI)に出向。DIでは国内ベンチャー投資・上場支援に取り組む。また、国内1号ファンド「DIMENSION」の立ち上げに関わる。

平重 克樹

筆者 : 

平重 克樹

感性デザイン工学専攻で大学院修了後、株式会社NTTドコモに入社。NTTドコモでは、IoT/AIを軸とした、デバイス・アプリケーションの両面から経営課題にアプローチするビジネスコンサルティング業務に従事。建設業界の働き方改革・生産性向上に寄与するIoTソリューション事業(デジタルトランスフォーメーション:DX)の新規立ち上げを行う。また同時に、オープンIoTプラットフォームを展開する4社JVのインキュベーション支援業務に携わる。MWC Barcelona 2018・2019出展。 その後、株式会社ドリームインキュベータ(DI)に出向。DIでは国内ベンチャー投資・上場支援に取り組む。また、国内1号ファンド「DIMENSION」の立ち上げに関わる。