CXOストーリー

転職するベンチャーを見極める「審美眼」とは 堅田航平が「五常・アンド・カンパニー CFO就任」を選んだワケ(第1話)

転職するベンチャーを見極める「審美眼」とは 堅田航平が「五常・アンド・カンパニー CFO就任」を選んだワケ(第1話)

「自分が圧倒的に成長できる環境に行きたい」「共感できるビジョンに向かって働きたい」「CxO・経営層を将来は目指したい」とベンチャー・スタートアップ転職に興味はあるものの、なんとなく不安を感じて一歩を踏み出せていない方も多いのではないでしょうか?

CAREEPOOLでは先駆者である「急成長スタートアップCxO」の方々へのインタビューを実施。大企業からスタートアップへ転職する際に気をつけるべきポイント、CxOに必要なスキルやマインドセット、スタートアップで働く醍醐味などについて紹介していきます。

今回はDIMENSIONも含めた投資家から42.2億円のシリーズC資金調達を発表し、「民間版の世界銀行」を目指す五常・アンド・カンパニー株式会社CFOの堅田航平さん。ライフネット生命、スマートニュースなど、名だたるスタートアップで財務責任者やCFOを務めてきた同氏にお話を伺います。(全5話)


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「点と点がつながった」

ーー2019年11月に五常・アンド・カンパニー株式会社CFOへの就任を発表されたばかりですが、現在はどのような役割を担当されていますか?

 

やるべきことは山ほどありますが、1番大きなミッションは「資金調達」だと自認しています。

 

特に、五常・アンド・カンパニーはマイクロファイナンス事業を展開しているため、資金調達で調達した資金が「原材料」として事業の元手となるのが特徴です。調達したお金を元手にローンを提供することで、途上国の何十万人ものお客様に対して生活を変える機会を提供できるのです。

 

一般的なテクノロジー系スタートアップでは調達した資金の用途が広告費や人件費ということも多いですが、調達した資金がお客様にポジティブなインパクトをもたらすことをより直接的に感じられるという点で、とてもありがたい仕事だなと感じています。

 

 

 

堅田航平/学生時代にバングラデシュのNGOにおける長期インターンを通じてマイクロファイナンスと出会う。大学卒業後はモルガン・スタンレー証券会社(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)投資銀行部門にてM&Aアドバイザリー業務に従事。ヘッジファンドを経て、2008年にライフネット生命保険株式会社に入社。2013年 執行役員CFOに就任。2014年、スマートニュース株式会社に入社しコーポレート部門の責任者として財務・経営管理・採用・人事を担い、累計86億円超の資本調達を主導。2018年より、国内外の複数のスタートアップにおいて財務・経営管理に関与。2019年、五常・アンド・カンパニーのCFOに就任。

 

 

ーー大学時代に出会われたマイクロファイナンスの世界に、様々な経験を経て戻ってこられました。原点には、事業に対する強い共感があるように感じます。

 

かっこよく言うと「点と点がつながった」感覚があります。

 

学生時代に感銘を受けたマイクロファイナンスについては、その後の社会人生活においても継続的に情報収集をしてきましたし、投資銀行でのM&Aアドバイザリーやヘッジファンドでの資産運用の経験を通じて、金融サービスについて多面的な理解を深めることができました。

 

ライフネット生命では「規制業種」という特殊なビジネスの進め方、スマートニュースではグローバルで事業や組織をどう作っていくかを経験させてもらいました。

 

それらの経験がすべて結びついたような気がして、今回このタイミングで五常・アンド・カンパニーへの入社を決意しました。

 

マイクロファイナンスは途上国におけるマイクロな起業家たち、たとえば「鶏を育てて卵を売る」ような起業家たちの成長を、ファイナンスの力によって後押しできる可能性があります。

 

いまは我々が目指す「民間版の世界銀行」という夢をより早く、より良い形で実現することに貢献したい気持ちでいっぱいですね。

 

 


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転職するベンチャーを見極める「審美眼」

ーーベンチャー転職を考える人にとっては、良い企業の見極め方が難しいポイントです。堅田さんはこれまで企業をどのような観点で選んでこられましたか?

 

決め手はいつも全然論理的ではなくて、直感的なものです。

 

アートもそうですよね。目の前でゴッホの「ひまわり」を見たら、論理的には説明できないなにかが込み上げてきます。私は投資銀行やヘッジファンドで働いていたおかげで、たくさんの経営トップと相対する機会に恵まれました。いまでも日本電産の永守さんにお会いした時の静かな迫力は忘れられません。

 

なので私の場合は、うまく説明できないのですが、最後の決め手はいつも「フィジカル」による直感なんです。

 

 

ーーフィジカル、ですか。

 

たとえばライフネット生命に入社した「決め手」をお話ししましょう。

 

きっかけは、ライフネット生命の共同創業者である岩瀬大輔さん(元ライフネット生命保険取締役会長)で、私が働くことになるヘッジファンドの選考中に、同社のサマー・インターンとして働いていた彼と出会ったことから始まります。

 

その後、私はそのヘッジファンドにそのまま入社し、岩瀬さんはライフネット生命を起業したのですが、時折東京に帰ってきた際に飲みに行くようになり、そして同社が生命保険業免許を取得する前のタイミングで声をかけていただきました。

 

きっかけはそんな感じだったのですが、入社を決めた最後の「決め手」は、創業者である出口治明さん(ライフネット生命保険創業者)と「握手」した瞬間でした。

 

当時出口さんは59歳だったのですが、「こんなに力強い握手をする人がいるのか」と圧倒されるほど、大きくて強烈な掌だったんです。

 

出口さんが面接時に「僕は橋をかけたいんだ。ライフネット生命を世界一の保険会社にするには長い時間がかかる。自分の生きているうちにはできないかもしれない。だから、私がかけようとしている橋を、対岸で受け止めてくれるチームを作る必要があるんだ。」と語っておられたのが今でも印象に残っています。

 

この人は本気だ、この人と仕事を一緒にできれば面白そうだと直感的に感じました。

 

 

ーーその後スマートニュースを経て、五常・アンド・カンパニーへ参画されましたが、やはり「フィジカル」が鍵だったのでしょうか?

 

スマートニュースに入った時もフィジカルがキーポイントで、鈴木健さん(スマートニュース代表取締役会長兼社長 CEO)の「目力」ですね。この人はやばい、と会った瞬間に思いました(笑)。

 

そして、五常・アンド・カンパニー創業者の慎に関しては「笑顔」。国籍問わず、人を惹きつけるあの表情が心から素敵だと感じました。

 

こうやって振り返ると「フィジカル」といえど人によってポイントは異なるのですが、やはり「本物の起業家や経営者が持つ空気」というのは動物的直感に訴えかけてくるものがあるように思います。

 

これも出口さんの言葉の受け売りですが、「直感というのは、考えていないわけではない。脳内にストックしてある知識や情報を検索し、その計算プロセスを自分でも認識できないほど高速回転させて結論にたどり着いたときに、人はそれを直感と感じる」のだと思っています。

 

論理的に考え抜いた末に最後は「この経営者と一緒に仕事をしたい」と直感的に思えるかどうか。ベンチャーを選ぶ際はその感覚を大切にするのが良いかなと思います。

 

 

>第2話「累計76億円調達の五常・アンド・カンパニーCFO 堅田航平が語る「ベンチャーCFOに求められる3つの素養」」に続く(2月下旬予定)

 

 

平重 克樹

筆者 : 

平重 克樹

感性デザイン工学専攻で大学院修了後、株式会社NTTドコモに入社。NTTドコモでは、IoT/AIを軸とした、デバイス・アプリケーションの両面から経営課題にアプローチするビジネスコンサルティング業務に従事。建設業界の働き方改革・生産性向上に寄与するIoTソリューション事業(デジタルトランスフォーメーション:DX)の新規立ち上げを行う。また同時に、オープンIoTプラットフォームを展開する4社JVのインキュベーション支援業務に携わる。MWC Barcelona 2018・2019出展。 その後、株式会社ドリームインキュベータ(DI)に出向。DIでは国内ベンチャー投資・上場支援に取り組む。また、国内1号ファンド「DIMENSION」の立ち上げに関わる。

平重 克樹

筆者 : 

平重 克樹

感性デザイン工学専攻で大学院修了後、株式会社NTTドコモに入社。NTTドコモでは、IoT/AIを軸とした、デバイス・アプリケーションの両面から経営課題にアプローチするビジネスコンサルティング業務に従事。建設業界の働き方改革・生産性向上に寄与するIoTソリューション事業(デジタルトランスフォーメーション:DX)の新規立ち上げを行う。また同時に、オープンIoTプラットフォームを展開する4社JVのインキュベーション支援業務に携わる。MWC Barcelona 2018・2019出展。 その後、株式会社ドリームインキュベータ(DI)に出向。DIでは国内ベンチャー投資・上場支援に取り組む。また、国内1号ファンド「DIMENSION」の立ち上げに関わる。