CXOストーリー

ベンチャーCFOを目指す人材が持つべき心構えとは AnyMind Group CFO 大川敬三(第2話)

ベンチャーCFOを目指す人材が持つべき心構えとは AnyMind Group CFO 大川敬三(第2話)

「自分が圧倒的に成長できる環境に行きたい」「共感できるビジョンに向かって働きたい」「CxO・経営層を将来は目指したい」とベンチャー・スタートアップ転職に興味はあるものの、なんとなく不安を感じて一歩を踏み出せていない方も多いのではないでしょうか?

CAREEPOOLでは先駆者である「急成長スタートアップCxO」の方々へのインタビューを実施。大企業からスタートアップへ転職する際に気をつけるべきポイント、CxOに必要なスキルやマインドセット、スタートアップで働く醍醐味などについて紹介していきます。

今回は2016年4月にシンガポールを本社として創業し、マーケティング及びエンターテインメント領域を軸とした展開サービスは11市場13拠点に急拡大、累計資金調達額は68億円を超えるAnyMind Group CFOの大川敬三さんにお話をお伺いします。(全3話)

CFOは「好奇心」であらゆる分野に精通せよ

ーー先ほど第1話リンクお話しされたCFOとしての素養を、どのように身につけられましたか?

 

私はAnyMind Groupに入るまではコンサルと投資銀行という、アドバイザリーという立場でキャリアを作ってきました。

 

プロジェクトごとに異なる業界のクライアントに対して、短期間で業界に精通しアドバイスを行う。そういうサイクルを何度も繰り返していくうちに自然と「ビジネスモデルを抽象化して理解する力」が身についていきました。

 

 

ーーそれがCFOの素養としてあげられた「ビジネスの中長期的な展望を構想する力」につながったのですね。

 

理解力・構想力というのは、すなわち「知っている型の多さ」とも言い換えられます。

 

ある業界の事業を「抽象化」して見た時に、自分がすでに「知っている型」の中で類似点があるものを探す。もし類似点があるのであれば同じような性質を持っているはずだと推論ができる。そうやって「抽象化」して「型に当てはめる」サイクルを回すことが理解力につながるのです。

 

そして、「知っている型の多さ」を増やすためには「好奇心」が必要となります。

 

新しいものを見た時に、「好奇心」をもっていかに自分の時間を使って専門性を高められるか。仕事としては100%の理解でも十分なところを、プロフェッショナリズムを持って120%の理解まで高められるか。

 

この差の積み重ねが「知っている型の多さ」の差に直結し、ひいては「ビジネスの中長期的な展望を構想する力」につながると思います。

 

 

ーーCFOには「その他諸々」を全部やる度量とスキルが求められるとおっしゃっていた部分とも合致しますね。

 

そうですね。例えば人事や法務の議論に対応できるのは、前職までの経験でそういった領域にもアンテナを張って知見を貯めていたからです。私は経理業務自体は入社前はやったことがありませんでしたが、過去に会計についての学習を興味本位で仕事と並行しながらしていたことが活きて、CFOとしての意思決定に役立っています。

 

「好奇心」で知見を広げてきたものが、あらゆる業務範囲を求められるCFOのスキルセットにつながってきたのかなと思います。

 

 

ーーなにがあれば「好奇心」を高く保つことができるのでしょうか?

 

ビジネスや仕事の全体像に対する「想像力」だと思います。

 

例えば投資銀行の仕事としてM&AやIPOの支援がありますが、一見華やかに聞こえる業務も、実際にやっているプロセスはかなり地味なことの積み重ねです。

 

それを作業として捉えるとつまらないですが、「想像力」を働かせてプロジェクト全体の中で今やっているのがどこの部分なのか、自分のキャリアに対してどのようなインパクトを与えるのかを考えれば、楽しんでやれるポイントが見えてくるものです。

 

なので全体像への「想像力」を働かせて、何に対しても自分が興味を持てるポイントを見つけることが大切だと思います。

 

 

あらゆる仕事の成果に100%コミットする

あらゆる仕事の成果に100%コミットする

ーー「メンタルタフネス」に関しても前職で鍛えられた部分が大きいですか?

 

私の場合はもともと「自分のやることを、人に指図されたくない」という性格があって、新卒でコンサル会社に入った瞬間から「自分が1番優秀だ」「立場をひっくり返してプロジェクトの主導権を握ってやる」と思っていたような、超生意気な新入社員でしたね(笑)。

 

でも、適正な能力を示しクライアントから信頼さえ得られれば、上下関係無く仕事をコントロールできるというのがプロフェッショナルファームの世界。「自分がやりたいこと」を貫き通すためにも、圧倒的なパフォーマンスを出そうと思って仕事をし続けてきました。

 

結果的に、各プロジェクトのアウトプットに対する責任感は新人時代から相当持っていましたし、とことんハードワークするタイプでした。時代を感じる話ですが、プロフェッショナルファーム時代は4日間ぶっ通しでトイレ以外ではデスクから離れない、なんてこともありましたね。

 

今も土日は「集中できるから!」とウキウキしながら会社に来るようなタイプです。もちろん自分の働き方自体は人に強要していませんし、会社のメンバーも私がどれだけ働いていようと趣味の範疇だとして全然気にしていないのではないでしょうか(笑)。

 

ここで1番大切なのは労働時間どうこうではなく、「仕事のアウトプットに責任を持つ」という覚悟です。どの業界で働いていようとも、自分の仕事に対してコミットするという意識が、成果の良し悪しを決めます。

 

この意識は一度でも逃げてしまうと、都合の悪い時は逃げるような癖がついてしまい、元に戻るのが難しいものでもあると思っています。なので常に自分の仕事に対してストイックに、成果にコミットし続けるのが大切だと思っています。

 

 

ーー仕事に対する責任感が、「メンタルタフネス」を生む、と。

 

たとえば「30代を超えて体が頑張れなくなった」と言う人がいますが、極論、それは言い訳にすぎません。本気でコミットする覚悟があれば、変わらないパフォーマンスを出すために必要な要件とそれを充足するためのプロセスをこなせば良いだけの話で、大抵のことはやり切れるはずです。

 

なので仕事にコミットする覚悟があれば、その過程の中で必然的に「メンタルタフネス」はついてくるものだと信じています。

 

 

>第3話「コンサル、投資銀行からベンチャーのCFOに転職。AnyMind Group 大川敬三が語るキャリアのつくり方」に続く(3月中旬予定)
 

下平 将人

筆者 : 

下平 将人

法律事務所、LINE株式会社の社内弁護士(リーガルカウンセル)、新規事業開発を経てDIに参画。DIでは、ベンチャー投資、投資先の経営支援に取り組み、投資先企業の社外取締役等を務める。東京弁護士会所属弁護士。Arts and Lawに所属しクリエーターの無料法律相談を担当。チャレンジングな事業領域に挑戦する起業家と汗をかき、共に理想を追い求め続ける存在でありたい。

下平 将人

筆者 : 

下平 将人

法律事務所、LINE株式会社の社内弁護士(リーガルカウンセル)、新規事業開発を経てDIに参画。DIでは、ベンチャー投資、投資先の経営支援に取り組み、投資先企業の社外取締役等を務める。東京弁護士会所属弁護士。Arts and Lawに所属しクリエーターの無料法律相談を担当。チャレンジングな事業領域に挑戦する起業家と汗をかき、共に理想を追い求め続ける存在でありたい。