CXOストーリー

創業4年足らずで累計68億円を超える調達。AnyMind Group CFO 大川敬三が語る「CFOの役割」とは(第1話)

創業4年足らずで累計68億円を超える調達。AnyMind Group CFO 大川敬三が語る「CFOの役割」とは(第1話)

「自分が圧倒的に成長できる環境に行きたい」「共感できるビジョンに向かって働きたい」「CxO・経営層を将来は目指したい」とベンチャー・スタートアップ転職に興味はあるものの、なんとなく不安を感じて一歩を踏み出せていない方も多いのではないでしょうか?

CAREEPOOLでは先駆者である「急成長スタートアップCxO」の方々へのインタビューを実施。大企業からスタートアップへ転職する際に気をつけるべきポイント、CxOに必要なスキルやマインドセット、スタートアップで働く醍醐味などについて紹介していきます。

今回は2016年4月にシンガポールを本社として創業し、マーケティング及びエンターテインメント領域を軸とした展開サービスは11市場13拠点に急拡大、累計資金調達額は68億円を超えるAnyMind Group CFOの大川敬三さんにお話をお伺いします。(全3話)


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「全部引き受ける」のがCFOの役割

ーーCFOとしてAnyMind Groupでどのような役割を担当されていますか?

 

ジョインした当初はシリーズBの資金調達をちょうど始めたタイミングでした。それと同時にM&Aの検討もしていたので、そのプロセスを遂行することが最初の大きなミッションでしたね。
 

 

ーー2018年はシリーズBの資金調達(約24億円)、そしてパブリッシャートレーディングデスク事業を行うAcqua Media(本社:香港)の買収など次々と実行されました。そこから役割の変遷はありましたか?

 

最初はファイナンス領域にフォーカスした役割でしたが、今は人事や法務も含めて、コーポレート機能を全般的に見ています。

 

ベンチャーにおけるCFOの役割って、言葉を選ばずに言うと「その他諸々」になることが多いと思っています。ほかのマネジメントメンバーがカバーできない領域を「全部引き受ける」ぐらいの度量とスキルが求められます。

 

 

 

大川敬三/デロイトトーマツコンサルティングを経て、前職のモルガン・スタンレーでは投資銀行本部にてヴァイス・プレジデントとして従事。テクノロジー領域におけるM&Aや資金調達業務を数多く担当した。AnyMind Groupでは、CFOとして資金調達やM&A、株式上場に向けた準備などをはじめとする財務戦略の一切を統括し、コーポレート機能の強化を担う。

 

 

ーー「その他諸々」を全部やる度量とスキル、ですか。

 

他のマネジメントメンバーが適性を持っていない部分をカバーし、それぞれの強みを最大限発揮できる環境づくりをすることで、会社全体の効率を担保する役割がCFOにはあります。なのでファイナンスはもちろんなのですが、それ以外にも様々な分野の知見を持っていることが求められます。

 

ベンチャーのCFOとして参画する時の覚悟として、「自分はCFOだ」と定義しすぎないほうがいいでしょうね。

 

もちろんファイナンスに強みを持っておくことは重要なのですが、常に変化するマネジメントチームのバランスを見ながら、抜けができたところをすぐさまカバーしていく。必要に応じて攻めも守りも、そしてコーポレート以外も出来るというのが理想の形と思っています。「自分の役割はこれ」と定義しすぎないことが重要です。

 

 

ーーベンチャーのCFOに就任する際には、それくらい自分の「期待値コントロール」をしておいたほうがズレが生じないということですね。

 

そうですね。会社全体の戦略や仕組みを決定するという経営陣ならではの仕事はもちろんありますが、泥臭いプロセスも含めてすべてカバーしなければいけない状況がベンチャーでは多々起こります。

 

プロフェッショナルファームでシニアクラスだった人がベンチャーのCFOに就任した際に「分析・批評はできるけれど、自分では手が動かない」というパターンがよくあります。逆に、ジュニアクラスの人が「分析や作業はできるけれど、経営陣としての視野が狭い」というパターンもあります。

 

あらゆる分野をカバーできるスキルと度量、経営レベルから現場の作業レベルまでハンズオンで踏み込める力がベンチャーのCFOには求められるでしょう。

 

 


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ベンチャーのCFOに求められる「3つの素養」

ベンチャーのCFOに求められる「3つの素養」

ーーあらためて、ベンチャーのCFOに求められる素養を3つ挙げるとするとなんでしょうか?

 

ファイナンス領域で意思決定をするだけのスキルセットがある前提でお話すると、1つめは「ビジネスの中長期的な展望を構想する力」、2つめは「メンタルタフネス」、3つめは「長期的なコミット・裏切らないこと」です。

 

 

ーー1つめの「ビジネスの中長期的な展望を構想する力」が必要な理由をお聞かせください。

 

何にお金を使って、何にお金を使わないか。企業運営のすべての活動は投資判断に紐づいていて、そのすべてに対して議論をドライブし意思決定を行う必要があります。時にはビジネスサイドのメンバーが推し進めようとしていることを止めないといけないことも、反対意見が多い案件をドライブすべきこともあるでしょう。

 

CFO人材は業界外から来ることが多いですが、その業界でビジネスを10年も20年もやっている人間と対等な立場でビジネスの長期的な戦略について議論できなくてはなりません。

 

その観点で、「ビジネスの中長期的な展望を構想する力」が必要になります。

 

 

ーー2つめの「メンタルタフネス」についてはいかがでしょうか?

 

ベンチャーであればどのフェーズの会社であれ、問題や課題は基本的に「社長」(もしくは特定のマネジメント)に負担が集中することが多いと思います。そして、そんな状況だとしても社内外に対して常にポジティブでいなければいけないのもまた「社長」の責務。精神的負荷は相当なものがあるはずです。

 

さきほど他マネジメントがカバーできないことを「全部引き受ける」のがCFOの役割だと話した通り、社長が抱える問題や課題の一部分をごっそり引き取り、精神的に安定した状態でパフォーマンスを発揮できる形に持っていけるのが理想的なCFOだと思っています。

 

わかりやすい例でいうとM&Aの交渉の際に、社長が太陽のようにポジティブに振る舞う必要がある一方で、厳しいことや言い辛いことを伝え条件交渉を行う役割を担うのがCFOです。対社外でも社内でもそういう役割って決して面白いものではありませんからね。

 

可能な限りの問題や課題、精神的負荷を引き取れるだけの「メンタルタフネス」がCFOには求められるのです。

 

 

ーー3つめの「長期的なコミット・裏切らないこと」についてもお聞かせください。

 

これは他のマネジメントや会社に対してという意味もありますが、CFOにとって一番重要なのは「投資家に対するコミット」だと思っています。

 

ビジョンやビジネス展望に納得いただいて投資家に資金を出してもらうわけですが、ベンチャーには当然ながら当初計画を変更しなければならない時があるし、場合によっては計画を下方修正するケースもあるかもしれません。

 

その説明責任を負うのはCFOの役割ですし、たとえ資金調達したときと方針が変わったとしても、状況や方針変更に株主の合意が得られたとしても、CFOは「どういう約束をして資金を集めたか」をいつまでも絶対に忘れてはいけないと思うのです。

 

これは、会社が何か厳しい状況に置かれたときにこそ問われる素養です。苦しい時でも投資家にコミットしたことに対して「責任をもってやりきる」「裏切らない」と思ってもらわないといけません。

 

大きなビジョンや成長戦略を描くだけではなく、約束したことに対しては必ずコミットし、「裏切らない」ことがCFOに求められる素養だと思います。

 

 

>第2話「ベンチャーCFOを目指す人材が持つべき心構えとは AnyMind Group CFO 大川敬三」に続く(3月中旬予定)
 

下平 将人

筆者 : 

下平 将人

法律事務所、LINE株式会社の社内弁護士(リーガルカウンセル)、新規事業開発を経てDIに参画。DIでは、ベンチャー投資、投資先の経営支援に取り組み、投資先企業の社外取締役等を務める。東京弁護士会所属弁護士。Arts and Lawに所属しクリエーターの無料法律相談を担当。チャレンジングな事業領域に挑戦する起業家と汗をかき、共に理想を追い求め続ける存在でありたい。

下平 将人

筆者 : 

下平 将人

法律事務所、LINE株式会社の社内弁護士(リーガルカウンセル)、新規事業開発を経てDIに参画。DIでは、ベンチャー投資、投資先の経営支援に取り組み、投資先企業の社外取締役等を務める。東京弁護士会所属弁護士。Arts and Lawに所属しクリエーターの無料法律相談を担当。チャレンジングな事業領域に挑戦する起業家と汗をかき、共に理想を追い求め続ける存在でありたい。